効果的な外国人労働者の受け入れとは?パターン別に採用方法を知ろう!

少子高齢化により日本の若年人口が減少するなか、新たな労働力として外国人の存在が注目されています。また、オリンピック・パラリンピック東京大会を目前にして訪日外国人観光客が増加しており、サービス業を中心に語学力に優れた外国人を採用したいというニーズも高まっています。今回は、職業パターン別に外国人スタッフの採用方法を見ていきましょう。

パターン1:技能実習生として受け入れる

外国人技能実習制度を利用して採用するパターンです。従来、外国人技能実習制度は、発展途上国の若い人材に技能や技術、知識を教えて国の礎になってもらう、「人づくり」に協力するための制度でした。

しかし近年、少子高齢化で若年労働人口が減少してきたことで、技能実習生を労働者として頼る場面が増えてきています。この傾向は、農業や水産業、建設業、製造業など労働集約型産業の現場で多く見られます。

法務省によると、日本で働く実習生は、2018年末時点で約32万8千人といわれ、すでに労働力の一角となっていますが、あくまで実習だということに留意する必要があります。

技能実習生受け入れの方式には、現在、企業単独型と団体監理型の2つがあります。

  • 企業単独型:日本の企業が自社の海外現地法人や取引先の企業などを通じて、外国人材を受け入れて技能実習するもの
  • 団体監理型:実習生の母国(送り出し国)と日本政府による二国間取り決めのもと、送り出し機関から派遣された実習生を日本の商工会や事業協同組合といった非営利団体が受け入れ、その傘下の企業などが実習を実施するもの

また、日本に滞在するための技能実習生の在留資格は3種あります。入国1年目の「技能等を修得する活動(第1号技能実習)」から始まり、技能検定試験をパスすると最長3年まで実習が可能な「技能等に習熟するための活動(第2号技能実習)」となります。さらに、技能評価試験に受かった実習生は、一定の条件のもと4~5年目の「技能等に熟達する活動(第3号技能実習)」の在留資格を得て、実習を続けることができます。

試験は日本語での実施のため、語学力が十分でない実習生の場合は試験対策以外の準備も必要になります。加えて、過去問題や模擬試験など試験対策のフォローをはじめとした幅広いサポートが欠かせないため、負担が大きいと感じる企業も一定数あるようです。

パターン2:幹部候補生として新卒・中途で採用する

日本人の新卒者と同様に、アルバイト採用した外国人留学生を正社員として採用する、就職セミナーや大学などを通じて選考する、人材紹介会社から紹介を受けるといったケースも増えています。大学で高等教育を受けた人材ですから、母国語や英語に加えて、読み書きを含めた日本語の能力が高く、多言語対応が可能という強みを持つ人も多く見られるためです。

留学期間を通じて日本に何年か滞在しているため、日本の生活に慣れた人材を採用できることが特徴です。こうした外国人材は、日本国内の拠点に配属するだけでなく、海外現地法人の幹部候補として採用・育成する企業もあります。

最近では、メルカリなどが力を入れているように、海外の大学で人材を「青田買い」して、日本に呼び寄せるパターンも見られます。

また、即戦力として外国人材を中途採用することもあります。この場合は日本人の中途採用と同じで、人材紹介会社からの紹介を受けたり、就職情報サイトなどで募集をしたりします。

外国人留学生の場合、卒業して入社したあとに留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に変更する必要があります。そのため、良い人材がいてもビザで定められた業務内容と合わず、採用を諦めざるを得ないケースもあるそうです。

例えば、コンビニでアルバイトしていた留学生をそのまま現場担当の正社員として採用したいというニーズがあっても、管理系の業務でなければビザの変更ができない、といったパターンです。

昨今、サービス業の現場では人手不足が顕在化しているため、法務省は2019年に外国人留学生に飲食店をはじめとした接客業での就職を「特定活動」として認める在留資格を設けました。日本語能力試験で最も高いレベルに合格しているといったいくつかの条件を満たせば、最長5年働くことができます。

パターン3:外国人留学生をアルバイトとして採用する

日本語学校や大学に在籍している留学生をアルバイトとして採用するパターンです。外国人材の一定数が資格外活動で働く留学生といわれており、サービス業の現場などでよく見られます。

ただし、留学生の資格外活動には制限がある点に注意が必要です。留学生は原則として労働が認められていないので、入国管理局から別途資格外活動許可を取得する必要があります。さらに、学校のある時期は労働時間を週28時間以内にしなければなりません。

最近は出稼ぎ目的のいわゆる「ニセ留学生」が増えているという指摘もあります。東京のある大学では、ベトナム人やネパール人の留学生約1400人が短期間で「失踪した」ケースもあり、留学ビザの発給審査が厳しくなっています。

実際、サービス業で働いていたネパール人やベトナム人がビザの厳格化で来日できなくなったり帰国を余儀なくされたりした結果、飲食店やコンビニでは、人手不足で立ち行かなくなる店舗も出ているようです。

パターン4:オフショア拠点で採用する

最後に、海外現地法人や海外企業との合弁企業など、オフショア(海外)の拠点で採用するパターンです。以前から多く見られた製造業の生産ラインのほか、IT部門や製品の研究開発(R&D)といった企業活動のコアとも言える部門を海外で担うケースも増えています。

これは、新興国では能力の高い人材を比較的安価に採用できるという理由だけでなく、経済のグローバル化と日本の国内人口の縮小に伴って企業が売り上げの軸足を成長性の高い海外市場に移しはじめた結果、より市場に近いところで研究開発をした方が有利、という考えがあるためです。

こうしたケースでは、現地の人材紹介会社やヘッドハンティング会社、募集媒体などを利用してスタッフの採用活動を行います。現地スタッフのマネジメント目的で日本から駐在員を派遣することもありますが、最近はオフショア拠点のローカル化を進めるため、現地人材を幹部として登用するケースも増えています。

まとめ:外国人材を採用する際に気をつけるべきこと

ここまで、パターン別に外国人材の採用方法を見てきました。人手不足やインバウンドの観光客の増加で外国人材への需要が高まっており、さまざまな職場で働く外国人を見かけるようになりました。

外国人へのニーズが高まる一方で、雇用する企業には在留手続きや生活環境を整えるための対応が必要といった側面もあります。外国人を採用する際は、在留資格で定められた規定に留意し、企業側も違法労働にならないように目を配らなくてはいけません。

また、外国人材は他文化からやってきているため、日本に滞在経験があっても日本の労働環境に溶け込めないこともあります。外国人材と企業側が求める人材像や条件とのミスマッチが発生し、短期間で辞めてしまうことも少なくないでしょう。

外国人コミュニティは横のつながりが強いため、いわゆる「ブラック労働」やパワーハラスメントのような事例が起きると、留学生や実習生の口コミで一気に悪い評判が広がることもあります。金銭的な報酬のほか、やりがいやステップアップも感じられるような採用・受け入れについて考える必要があるでしょう。

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