外国人労働者との「当たり前」の違いによる問題を予防するために

外国人労働者との「当たり前」の違いによる問題を予防するために

「衛生面の意識が日本人と違う」「相手に対しておわびをする文化がない」「雇用したあとに法律上雇用できない人材であることが分かった」など、外国人労働者の雇用は日本人の雇用と異なるトラブルの種があります。

問題が発生した場合、法律や対人関係、ビジネスなどで損害が発生してしまうこともあります。今回はそのような事態を防ぐために、起こりがちな事例を紹介します。

外国人採用時に起こりがちな手続き上の問題

外国人労働者を雇用する際に起こりがちな手続き上の問題として代表的なものは、以下のとおりです。

  • 外国人労働者が在留資格(就労ビザ)を取得していない

外国人労働者を雇用する際には、外国人本人が在留資格を有している必要があります。在留資格を持っていない外国人を雇用した企業は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。

外国人労働者の在留資格は、本人が持っている在留カードを提示してもらえば確認できます。

  • 外国人労働者が就労資格を満たしていない

外国人労働者が在留カードを持っていても、就労資格を満たしていない場合があります。外国人労働者はすべての仕事について命令を受けられるわけではなく、「資格が認められている範囲内でのみ就労が許可されています。

(例)「技能」=調理師やスポーツのコーチなど/「介護」=介護職

参考:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf(法務省:在留資格一覧表)

  • 就労が認められていない外国人労働者をあっせんする業者が存在する

あっせん業者のなかには就労資格のない外国人労働者を不法にあっせんしている業者もあります。過失によりチェック漏れが生じた場合でも、上記の法律により雇用者も罰せられてしまうので注意が必要です。

外国人労働者との間で起こる雇用上の問題

外国人労働者を雇用する際には、業務の現場でトラブルが生じるケースもあります。いくつか例を紹介します。

  • コミュニケーションが円滑に取れず指示が伝わらない

多くの外国人労働者が抱える悩みのひとつが、日本語でのコミュニケーション問題です。高度技能を備えた人材でさえ、日本語でのコミュニケーションに非常に苦労しているとの声が多数報告されています。その結果、せっかくの高度技能を活用しきれなかったり、業務をスムーズに進めることができなかったりするケースがあるそうです。

  • 文化の違いにより顧客からクレームを受けてしまう

バックグラウンドの違いにより、顧客からクレームを受けてしまうケースもあります。例えば、顧客との食い違いがあった際に、日本人の多くはまずおわびから入りますが、外国人は自らに非がないことの主張から入る、といったケースがあります。悪気はないものの、顧客との関係性が想定より悪化する場合もあります。

  • 低賃金や長時間労働などの不満が労働者から上がってくる

日本人労働者との扱いの差に不満を持っていたり、不明瞭な評価制度に対して外国人労働者が不満を持ったりするケースも多く発生しています。外国人だから、という安易な考えがこういった問題を誘引しています。

  • 社内の環境が整っていない

社内の案内やマニュアルが日本語版しかなかったり、研修制度が整っていなかったり、日本人スタッフの外国人雇用に関する理解が乏しい職場では、外国人労働者が孤独感や疎外感を受けてしまいがちです。

外国人労働者との間に問題を起こさないためには

外国人労働者との間にトラブルを起こさないために求められる企業側の対応は、以下のとおりです。

  • 外国人雇用に関する労働条件を理解する

まずは、雇用主が外国人雇用ならではの特性や必要な手続きを理解することが重要です。専任の担当者を任命するといった体制づくりも重要なポイントです。

外国人労働者に特化した人材紹介会社や人材派遣業者を利用すれば、外部でのチェック機能も働き、受け入れにあたってアドバイスを受けることも可能です(人材紹介会社を利用した採用の場合は、雇用期間中の就労資格期限切れに注意が必要です)。

  • コミュニケーションレベルの高い労働者を雇用する

日本語の習得に苦労している外国人労働者は少なくありませんが、コミュニケーションを円滑に図るうえでは日本語で簡単な指示が受けられること、あいさつができること、などのコミュニケーション能力は不可欠です。事前に日本語の習得レベルを確認することで、社員との意思疎通が問題の種にならないように受け入れられるでしょう。

  • 雇用条件を整備して透明性を高めておく

雇用条件の透明性は、労働者の不満を抑えるためだけではなく、有能な人材を逃がさないためにも重要です。また、日本人スタッフからの「外国人を重視して日本人雇用が軽視されている」といったような不満を抑えるためにも、透明性は重要です。

  • 作成した雇用条件を守る

雇用条件が守られないケースも報告されています。必ず、作成した雇用条件に沿って対応しましょう。

  • 社内での労働環境の整備をする

労働環境を整備して、外国人スタッフが業務に集中できる環境を整えましょう。よく使う場所や備品には外国語でも注意書きをするなど、外国人労働者と一緒に環境を整備していくとよいでしょう。社員間のコミュニケーションを取るきっかけづくりにもなります。

まとめ

外国人労働者を雇用する際に、あらかじめどのようなリスクがあるのかを知ることでトラブルの発生を防ぐことができます。具体的には、社内での労働規約や外国人労働者が働きやすい環境の整備、透明性の確保などが必要不可欠になります。

また、優良な外国人人材紹介会社や派遣会社などを利用すれば、ビザのチェックのような手続き上の確認だけではなく、コミュニケーションやモラルなどについての指導をしている会社もあるので、より安心して外国人労働者を導入することができます。