特定活動で雇用は可能?事業主として知っておくべき在留資格との違い

特定活動で雇用は可能?事業主として知っておくべき在留資格との違い

在留資格はたくさんの区分に分けられており、そのなかでも就労可能な資格は限られています。「特定活動」は既存の在留資格で区分できない場合、個別に活動を認定する制度で、法務大臣が指定します。特定活動で在留が認められていても、働くことができないケースがあるため、雇用の際には注意が必要です。特定活動の基本的な知識や、外国人を雇用する際の注意点について解説します。

特定活動って何?

特定活動は在留資格のひとつで、区分されている在留資格に当てはまらない場合に、法務大臣が個々の外国人について活動を指定するものです。

特定活動は「その他の活動」

日本に入国する外国人の活動は多種多様です。そのためすべての活動について、一律に区分できない場合があります。30種類の在留資格中に区分されない活動については、特定活動として法務大臣が個々にその活動を指定することになっています。

特定活動の具体例は、外交官や領事館の住居内で働く個人的な家事使用人、アマチュアスポーツ選手とその家族、インターンシップやサマージョブなどです。また、大学を卒業した留学生が就職活動を行う場合もあります。

在留資格認定証明書交付申請の可否について

特定活動には以下の3つの種類があります。

  1. 法定特定活動:入管法で認められている特定活動のこと

国が認める機関において高度な専門性をもった研究・教育や情報処理を行う仕事に従事する外国人とその家族が対象です。

  1. 告示特定活動:あらかじめ活動の該当範囲が定めらており、法務大臣の告示によって規定されている特定活動のこと

2019年6月改正の時点では46の活動種類が告示されています。先に挙げた特定活動の具体例はいずれも、この告示特定活動に含まれています。

  1. 告示外特定活動:告示に規定されていないが個々の事情により法務大臣が人道的に上陸と在留を認めているケース

例としては、高齢の親を病気治療のために海外から呼び寄せる場合や、大学卒業後に内定状態で待機をしている学生などが挙げられます。

法定特定活動と告示特定活動については、「在留資格認定証明書」の交付申請を行うことが可能ですが、告示外特定活動については申請できません。在留資格認定証明書は、後日正式な在留資格を取得する際、その資格条件に適合することを証明する書類となります。

特定活動は就労ビザではない

特定活動は在留資格のひとつですが、だからといって就労が許可されているわけではないことに注意が必要です。

在留資格のうち就労が認められるのは、以下の18資格です。

  • 外交
  • 公用
  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 高度専門職
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 興行
  • 技能
  • 技能実習

(参考:法務省入国管理局「新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について」

いずれの資格においても、その在留資格に定められた範囲での労働のみ許可されます。また、特定活動の在留資格があっても、全員が雇用対象となるわけではないことを認識しておく必要があります。

特定活動での雇用は可能?

特定活動は個人ごとに異なります。活動できる内容については指定書に記載されており、就労可でない場合は、雇用することができません。

特定活動は就労前提ではない

前述のとおり、特定活動はあくまで在留資格を表すものです。その活動において、就労できるという旨の記載がなければ働くことはできません。

在留資格が特定活動の場合には、通常、旅券に添付されている指定書によって活動の種類が確認できます。雇用主は外国人雇用状況の届出をする際に、活動類型を確認して届出用紙の在留資格記載欄に記入します。

特定活動の在留資格記載欄は、以下のように分類されています。

  • 特定活動(ワーキングホリデー)
  • 特定活動(EPA)
  • 特定活動(高度学術研究活動)
  • 特定活動(高度専門・技術活動)
  • 特定活動(高度経営・管理活動)
  • 特定活動(高度人材の就労配偶者)
  • 特定活動(建設分野)
  • 特定活動(造船分野)
  • 特定活動(外国人調理師)
  • 特定活動(ハラール牛肉生産)
  • 特定活動(製造分野)
  • 特定活動(就職活動)
  • 特定活動(介護)
  • 特定活動(その他)

(参考:厚生労働省 都道府県労働局 ハローワーク「外国人雇用はルールを守って適正に」

特定活動で労働できる例・できない例

卒業後、就職活動を行う留学生の場合は、「資格外活動許可」を取得しなければ就労できません。許可を得ずに働いた場合には、雇用した側は不法就労助長罪に問われる可能性があります。

ワーキングホリデー制度を利用して入国した外国人については、以下のような定義がされています。

「日本文化及び日本国における一般的な生活様式を理解するため、本邦において1年を超えない期間、休暇を過ごす活動並びに当該活動を行うために必要な旅行資金を補うため必要な範囲内の報酬を受ける活動」(引用元:東京労働局職業安定部 ハローワーク「事業主の皆様へ 外国人の雇用に関するQ&A」

旅行資金や生活にかかる資金を充足するために、必要な範囲内での就労が許可されており、就労可能時間に制限はありません。ただし、風俗営業または風俗関連営業をする事業所では労働できません。

東京オリンピック需要に対応するため、建設労働者についても特定活動によって労働できる幅が広げられています。働くことのできる条件としては、過去、建設分野で技能実習を行った外国人について、2年または3年を限度に、在留資格「特定活動」が与えられます。

この分野で外国人を雇用できるのは、建設業許可を受けている企業で、なおかつ過去5年間に2年以上建設分野の技能実習を実施した実績をもっていることが求められます。

特定活動に関する注意点

特定活動の在留資格を持つ人材を雇用する際の、注意点について見ておきましょう。

期間と条件について

特定活動の在留資格で働けるのは、最長で5年間です。許可される期間は、5年・3年・1年・6か月・3か月、または個別に指定される期間となっています。

雇用の際には、在留カードとともに指定書の内容も十分に確認する必要があります。在留資格によっては、資格外活動許可申請が必要となる場合があり、申請が認められれば、合法的に雇用が可能です。

ただし、資格外活動許可を得られても、労働時間制限がありうるため注意が必要です。例えば、留学生が特定活動の資格外活動許可を得て働く際には、原則週28時間の労働時間制限があります。

一方、難民申請者に与えられる資格外活動については、労働時間の規制がありません。

特定活動を上手に活用するために

特定活動の在留資格者を上手に活用するためには、個々の外国人に規定されている内容を理解する必要があります。

特定活動の在留資格のなかでもインターンシップやサマージョブ、ワーキングホリデーの場合、短期雇用であれば問題のない採用が可能です。また、就職活動中の留学生の場合では、資格外活動許可を取得して試用期間を設けた後で、在留資格の切り替えによって長期雇用できる可能性もあります。

まとめ:特定活動は個別に条件が違う

特定活動でも製造業務や建設業務、その他での就労は可能ですが、在留期間に制限があることや指定書の記載内容によって一人ひとり状況が異なることを理解しておく必要があります。似たような条件の人材であっても、特定活動の在留資格者の場合には、必ず詳細を確認して採用を検討しなければなりません。労働が許可されていない資格を保有している外国人を雇用してしまうと、事業者側が罪に問われるリスクを負います。法令を遵守するためにも、特定活動の在留資格について、理解を深めておきましょう。少しでも疑念がある場合には、専門家のアドバイスに従うことが賢明です。

 

参考:

特定活動ビザ|外国人在留資格ビザセンター

関連記事