外国人労働者を雇用する際に押さえておきたい!在留資格

外国人が日本で働く際にしばしば問題になるのが在留資格の有無です。

そもそも在留資格を持っていない場合や、在留期限を過ぎている場合、外国人を雇用することはできません。万が一、在留資格のない外国人労働者を雇用してしまった場合、たとえ事実を知らなかった場合でも雇い主側に罰則規定が科されます。

今回は、外国人の在留資格について理解できるよう、種類や在留期間などをまとめました。

在留資格とは

外国人雇用においてトラブルになりやすいのは、在留資格の有無や期間の問題です。

受け入れ企業側は、在留資格の概要を正確に把握することが重要です。ここでは、在留資格の概要や混同しやすいビザとの違いについて解説します。

■在留資格の概要

在留資格とは、外国人が日本国内に滞在する際の根拠となる資格です。日本国内に在留する外国人は、在留資格の種類によって日本国内でできる活動の範囲や滞在期間などが決定されます。

したがって、労働者として外国人を受け入れる企業は、雇用する外国人労働者の在留資格が雇用できる条件を満たしているか否かを確認する必要があります。

■ビザとの違いとは

ビザ(査証)の本来の意味は、「パスポートが有効であり、所持者が日本国内に入国しても問題ない」ことを示す推薦状のようなものです。

混同しやすいのは、一般的にしばしば使用される「就労ビザ」という用語です。就労ビザは通称であり、そもそも正式な名称ではありません。日本国内で就労が可能な在留資格のことを慣習的に「就労ビザ」と呼んでいるのです。

就労が認められる在留資格にはいくつか種類がありますが、就労ビザはそれらの在留資格の総称という位置づけです。したがって、ビザ=就労ビザではなく、就労ビザはあくまで「在留資格を有している」ということであり、「在留資格がなければ働けない」という事実は変わりません。

在留資格の種類と取得手順とは

在留資格には、合計で29種類があります。例えば、2019年4月1日に施工された改正入管法によって新たに制定された「特定技能1号・2号」も在留資格のひとつです。在留資格の具体的な内容については次項で表にまとめますので、ご確認ください。

重要なポイントは、在留資格の内容によって就ける職種や在留期間、取得方法などが異なることです。

■在留資格の取得要件

在留資格を取得するためには、要件が設定されている場合があります。例えば、「医療」や「介護」などの免許・資格を必要とする就労については、外国人労働者が要件を満たしたうえで在留資格取得を申請しなければなりません。

「医療」の取得申請では、以下の要件が設定されています。

  • 医師、歯科医師、薬剤師、看護師など医療従事者の日本国内の免許を取得していること
  • 准看護師の場合、免許取得4年以内に研修業務を受けていること
  • 薬剤師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士などの医療機関や薬局に招かれていること

在留資格の種類によって取得要件は異なります。日本国内で在留資格を得るために必要な要件であるため、受け入れ企業側が在留資格を代理取得する場合には、要件を満たしているか否かも確認ポイントになります。

企業側は、自社で雇用する職種や業務にどのような要件が必要とされているのかについて確認しておきましょう。

■在留資格の取得方法

在留資格の取得方法には、以下の2種類があります。

  • 外国人労働者が、訪日後に本人が必要書類を準備して出入国在留管理庁申請する
  • 入国前に代理人(受け入れ企業など)が「在留資格認定申請証」を出入国在留管理庁に申請する

外国人労働者本人が書類を準備することは難しいため、代理人による取得の方法がとられるケースが一般的です。その際、以下の書類が必要です。

1:在留資格認定証明書交付申請書

2:身元保証書

3:質問書(日系人の配偶者の在留資格を取得する際に必要な書類)

日本の企業が外国人労働者を雇用する際に必要な書類は「在留資格認定証明書交付申請書」と「身元保証書」の2点です。

書類を提出しておよそ1~3か月間で書類が受理され、手続きが完了します。したがって、ある程度余裕をもって申請することも重要です。

外国人雇用に関する在留資格(抜粋)

在留資格のうち、主に企業における外国人雇用に関するものに絞ってみてみましょう。

在留資格

行うことのできる活動

具体例

在留期間

教授

大学や高等専門学校での研究・指導・教育

大学教授

5年、3年、1年または3か月

経営・管理

企業の経営(ただし、経営するために専用資格が必要な専門職は除く)

企業の経営者・管理者

5年、3年、1年、4か月または3か月

法律・会計業務

外国法事務弁護士・外国公認会計士など法律・会計に関する業務

弁護士、公認会計士

5年、3年、1年または3か月

医療

医療にかかわる業務

医師や歯科衛生士、看護師など

5年、3年、1年または3か月

教育

小学校・中学校、高等学校などでの語学教育やその他の教育業務

小学校・中学校英語教師

5年、3年、1年または3か月

技術・人文知識・国際業務

理学、工学、自然科学、社会学などの専門知識を生かした業務

機械工学などの技術者、通訳者、デザイナーなどオフィスワーク全般

5年、3年、1年または3か月

企業内勤務

日本に支店や本店のある事務所の職員が日本の会社に転勤して行う企業内の業務

外国の事業所からの転勤

5年、3年、1年または3か月

介護

介護または介護の指導を行う業務

介護福祉士

5年、3年、1年または3か月

技能

産業上の特殊な分野について特殊な技能を必要とする業務

外国料理の調理し、スポーツのコーチ、貴金属の加工職人など

5年、3年、1年または3か月

特定技能1号

人手不足の特定14業種において、人材確保を補うレベルでの知識・技能を要する業務

ビルクリーニング、宿泊関連業など

1年または6か月、または4か月

特定技能2号

建築、造船の分野で特に秀でた技能を要する業務に関する活動

建築・造船関連業

3年、1年または6か月

技能実習

日本の技能や知識を学び本国での開発援助につながる業務

技能実習生

法務大臣が個別に指定(最長1~2年)

特定活動

外国の大学生が教育の一環として受ける研修やワーキングホリデーなど

インターンシップなど

5年・3年・1 年・6か月・3か月または指定の期間(5年未満)

永住者

法務大臣が永住を認めた者

日本人と基本的に同様

無期限

定住者

法務大臣が特別な理由を考慮し一定期間の在留を認めた者(難民や日系三世など)

日本人と基本的に同様

5年、3年、1年または6か月

日本人の配偶者等

日本人の配偶者や日本人の特別養子など

日本人と基本的に同様

5年、3年、1年または6か月

永住者の配偶者等

永住者・特別永住者の子など

日本人と基本的に同様

5年、3年、1年または6か月

 

以上のように、さまざまな職種・業種で在留資格が設けられています。在留資格の範囲、期間を過ぎてしまうと「不法就労」となってしまい、行政上の罰則が科されます(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらを併科)。

制度は複雑ですが、受け入れ企業側にて確認は不可欠です。

まとめ

外国人雇用は必ず在留資格の範囲内で行われなければなりません。

在留資格の範囲を超えてしまった場合や、在留期間を過ぎても雇用を続けていた場合は不法就労となり、雇用主に対して罰則が与えられます。残念ながら、外国人雇用については在留資格に関するトラブルが少なくないため、受け入れの企業側にて在留資格の確認・管理を徹底する必要があります。

参考:

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