入管法改正で何が変わった?特定技能保有者とは?

入管法改正で何が変わった?特定技能保有者とは?

2019年4月1日より改正された入管法(出入国管理法及び難民認定法)が施行されました。

改正入管法の施行により、高度な技能を身につけた外国人が日本で働きやすくなり、企業の人手不足解消や成長に役立てられることが期待されています。今回は、変更点や従来の入管法との比較を交えつつ、改正入管法について解説します。

そもそも入管法とはどういう法律か?

改正入管法(出入国管理法及び難民認定法)を知るためには、そもそも入管法がどのような法律なのかを知ることが大切です。入管法の概要や制定された背景について解説します。

■入管法の概要を解説

入管法は日本からの出入国を管理する法律であり、特に来日する外国人の管理に重点が置かれています。海外の危険な人物を国内に入れないために、1982年1月に制定されました。

具体的には、在留資格や在留期限を設けることで外国人の入国が管理されています。

■入管法の改正内容

2019年4月1日施行の改正入管法では、在留資格に「特定技能」が追加されました。

在留資格とは、外国人が合法的に日本国内に滞在するための資格のことで、改正前には在留資格が28種類設けられていました(定住資格や留学など)。

新設された特定技能は、一定の専門性・技能を有した外国人労働者が日本国内で働きやすくするために設けられました。

■入管法改正の背景

入管法が改正された背景には、以下の2点が挙げられます。

  • 日本国内企業の人手不足
  • 企業の成長促進

つまり、少子高齢化による労働力の不足やグローバル化による競争が激化するなかで、日本企業が生き残り存在感を発揮していくための対策のひとつであること。また、外国人労働者を活用するための土台を整備するものといえます。

入管法改正によって具体的にどのような人材が集められるの?特定技能1号・2号とは

入管法が改正されたことにより、国内企業は外国人労働者を活用しやすくなりました。

では、改正前と改正後とでは具体的にどのように変化したのでしょうか? 特定技能1号と2号の違いをふまえ、解説します。

特定技能人材の概要

上述のとおり、特定技能は国内の労働力の不足を補い、企業が競争力を発揮するために創設された在留資格です。

特定技能の在留資格は、特に人手が不足している業種に認められている特定技能1号と、そのなかでも特定の2業種において特に優れた技能を持つ外国人に対して与えられる特定技能2号の2種類が存在します。

特定技能人材を雇用するためには、受け入れ企業側にも要件が指定されています。主な要件は以下のとおりです。

  • 要件として指定された業種で雇用すること
  • 日本人労働者と同等の基準で雇用すること
  • 所定労働時間がほかの労働者と同等の条件であること
  • 外国人であることを理由に、待遇面での差別を行わないこと
  • 一時帰国を希望した場合、休暇を与えること
  • 外国人労働者が帰国費用を準備できない場合には、受け入れ機関が旅費などを用意し、円滑に帰国できるよう手配すること
  • 受け入れ機関が外国人労働者の健康状態やその他状況を把握するために必要な処置をとること

以上のように、特定技能人材を受け入れる企業側も、制度を本来の目的で活用するための対策が求められています。

特定技能1号と2号の違いについて解説

特定技能1号と2号には、目的の違い以外にもさまざまな違いがみられます。技能が必要とされる特定2号は難易度が高く、特定1号より厳しい要件が設定されています。

特定技能1号と2号とで異なるポイントを具体的に解説します。

  • 在留資格が与えられる業種

特定技能1号は以下の14業種に従事する外国人労働者向けの在留資格です。

1:介護

2:ビルクリーニング

3:素形材産業

4:産業機械製造業

5:電気・電子情報関連産業

6:建設

7:造船・舶用工業

8:自動車整備

9:航空

10:宿泊

11:農業

12:漁業

13:飲食料品製造業

14:外食業

特定技能2号は、以上の14業種中6の建設と7の造船・舶用工業の2業種において、特に熟練した技能を持つ外国人労働者に与えられる在留資格です。

  • 在留期間

特定技能1号は1年、6か月または4か月ごとの更新が必要で、技能実習とあわせて通算5年間の在留が認められます。

特定技能2号は3年、1年または6か月ごとの更新が必要です。特定技能1号と異なり、在留期間の上限は設けられていないので、長期滞在が可能です。

※技能実習制度・・・発展途上国の外国人に、日本の技術や知識を学んでもらい、本国に帰って役立ててもらうことを目的として雇用が認められている制度。あくまで技術を学んでもらうことを目的としているため、人手不足の解消のために技能実習生を活用してはならない。

  • 技能水準

特定技能1号・2号ともに試験にて確認が行われます。ただし、1号の場合、技能実習2号満了者は試験が免除されます。

  • 日本語水準

特定技能1号は、日本での日常生活、業務の遂行に必要なレベルの日本語能力が備わっていることを確認するための試験が行われます。技能実習2号満了者は試験が免除されます。

特定技能2号の場合、試験の実施は不要です。

  • 家族の帯同

特定技能1号は家族の帯同が認められていませんが、特定技能2号は条件を満たせば配偶者と子どもの帯同が認められます。

入管法の改正によって何が変わったか

入管法の改正によって、受け入れ側・外国人労働者側の双方において制度面では大きな変化が起こりました。

具体的にどのような点が変化したでしょうか? 労働資格、人材の内容、管轄の3つの項目において、変化の内容を解説します。

  • 労働資格

入管法の改正によって、14業種において5年間で最大34万人の外国人労働者を新たに受け入れることになります。中小企業を中心とした国内企業の人材不足を補うために「特定技能」資格が付与されます。また、優秀で熱心な技能実習生を、外国人労働者として長期的に活用することが可能です。

  • 人材の内容

技能実習生は、「単純作業」に従事するケースが大半ですが、特定技能の創設によって、一定の技能を有した即戦力性の高い外国人を受け入れられる制度が整いました。

  • 管轄

もともと、法務省の内部部局である入国管理局で出入国管理がされていましたが、法改正に伴い法務省外局の出入国在留管理庁という独立性の高い外局になりました。管轄が外局になったことにより権限が増加し、外国人労働者の受け入れ増加の対応を強化しています。

今後、改正入管法が適正に活用されれば、各企業は優秀な外国人人材を雇用できるようになります。しかし、企業側や国内での外国人受け入れ体制の整備、外国人労働者の雇用条件の整備などの課題が残っていることも確かです。

農業や漁業、清掃業など、労働条件が厳しく日本人が敬遠する仕事を外国人に押しつけるような制度になってしまう可能性もあります。

改正労働法をうまく活用するにはメリットと課題を把握して、トラブルを未然に防止する体制を整える姿勢が不可欠です。

まとめ

企業の人手不足や競争力の強化を目的として、2019年4月に入管法が改正されました。

高度な技能を習得した外国人が働きやすくなることや在留期間が長くなることにより、受け入れ側の企業に大きなメリットのある法改正ですが、細かい基準が設定されています。トラブル防止のためには、受け入れ側が規定をよく理解することが重要です。

労働法改正を把握するために、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

参考: