金融でも進む外国人採用、北洋銀・北海道銀が本腰:日本経済新聞電子版

金融でも進む外国人採用、北洋銀・北海道銀が本腰:日本経済新聞電子版

北海道の地方銀行2行が外国人の登用を本格化させている。北洋銀行には2020年4月、初めて新卒で採用した中国とオーストラリア出身の2人が入行。北海道銀行は営業強化中のロシア業務にロシア人を起用してビジネス拡大を目指す。地元企業の海外展開の支援などの専門人材に育て、新たな収益分野を開きたい狙いがある。

1日に北洋銀行本店で行われた安田光春頭取による新入行員向けのテレビ会議システムを使ったあいさつでは、頭取の前に座ったマスク姿の3人の新入行員のうち2人が外国人だった。中国出身の戎潔(ロン・ジェ)さん(28)と豪州出身のフィロシー・ティアシェイさん(25)だ。
2人は北海道内の大学や大学院を卒業して入行した。戎さんは「北海道の中小企業を元気にするため、海外進出などいろんなサポートに力を注ぎたい」と話す。フィロシーさんも「英語や海外に住んだ経験など自分の能力が生かせる業務がやりたい」と意気込む。
2人は国際部に配属され、外国為替の事務や企業の海外展開の支援業務のイロハを勉強している。「前例にとらわれない取り組みを」(安田頭取)との経営陣の後押しもあり、同行は2人を海外業務のスペシャリストに育てたい考えだ。
北海道銀行は出資する地域商社、北海道総合商事(札幌市)がロシア関連のビジネスに強く、国際部ではロシア人の男性行員が道産食材の輸出や企業の海外進出などで手腕を発揮している。これまでは必要に応じて採用してきたが「今後は外国人の採用間口を拡大していきたい」(北海道銀)。こちらも多様な人材の獲得に意欲を見せる。


外国人採用を積極化する背景には、長引く低金利環境や企業の減少で地域経済に根ざすばかりでは立ち行かなくなるという危機感がある。企業の海外展開の支援やコンサルティング業務で得られる手数料などだけでなく、現地情報をはじめ無形の資産も貴重なビジネスの種になると読む。
北海道労働局によると、道内で働く外国人は19年10月末時点で約2万4千人を数えるが、産業別で銀行を含む「金融業・保険業」は全体の1%に満たない。外国人労働者の半数を技能実習生が占めるため製造業(29%)や農業・林業(13%)が多くなりがちで、他産業と比べて活躍の場はまだまだ限られている。
とはいえ、金融機関も人手不足は深刻だ。北海道労働局によると、金融業・保険業の足元の新規求人数(19年4月~20年2月まで。新卒は除く)は約3500人と2年前に比べて100人以上増えている。留学生の受け入れを拡大する大学は増えており、人材不足に悩む信用金庫や信用組合にも優秀な外国人を採用する動きが広がりそうだ。

(塩崎健太郎)

■掲載元情報■
掲載日:2020-04-10 10:11:27 UTC
掲載メディア:日本経済新聞電子版
URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57854710Z00C20A4L41000/

※イメージphoto:エスエスタイムズ事務局にて選定(写真AC)

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