あなたの会社は大丈夫?定着率の悪い会社、その特徴をチェックしてみよう

新卒で入社した社員のうち3年以内に離職する割合は、中卒者で7割、高卒者で5割、大卒者で3割であることから「753(シチゴサン)現象」といわれます。しかし、なかにはこの割合を超える、離職率の高い会社もあります。定着率の悪い会社の共通点を探るとともに、定着率を上げる方法について考えてみましょう。

定着率の悪い会社の5つの特徴

定着率の悪い会社に見られる特徴を5つ挙げます。自社にあてはまる点がないか確認してみましょう。

労働環境が悪い

労働基準法に違反しているのはもってのほかですが、職務に対して給与が十分でない、残業や休日出勤が多い、休みが少ないなど、労働環境・条件が悪い職場は、人が居つきません。生活のために仕事をする人が大半ですから、給与の低さは離職の引き金になります。基本給の低さだけでなく、ボーナスが出ないことも従業員が働くインセンティブを低下させ、人が定着しない原因になりえます。

昨今は若年人口の減少や人手不足により、都市部や若年層を中心に給与水準が上昇しています。他社と比べて見劣りする給与では、人が集まりにくくなっているためです。また、外資系企業が高い報酬を提示して、日本企業から優秀な人材を引き抜くという事例もしばしば見られます。

求人票(求人広告)と実際の労働条件が違う

厚生労働省公表の「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」によると、平成30年(2018年)の申出等の件数は6,811件でした。内容別に分類すると、「賃金に関すること」(30%)がもっとも多く、「就業時間に関すること」(23%)、「職種・仕事の内容に関すること」(17%)となっています。

2018年1月1日に施行された改正職業安定法では、当初明示した労働条件が変更される場合は、変更内容について明示しなければならなくなりました。求人票には聞き心地の良いことを書いて人を集めても、入社後に実際の労働条件が異なると判明すれば、「話が違う」とすぐに辞められてしまいます。求人票の記載内容にない労働条件を明示しないでいると法律違反になりますので、注意が必要です。

求人広告や人材紹介業者を利用している場合は、採用に多額の費用がかかります。入社後すぐに退職されれば、無駄なコストがかかるばかりです。

人間関係に不満が多い

ハラスメントの横行や、ボス的な人物のいじめ、風通しの悪さなど、人間関係に不満が多い職場は人が居つきません。20206月に施行される「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」では、指導の範囲を超えた叱責(しっせき)や集団での仲間外し、無視もパワハラと認定されますので、注意が必要です。

また、上司のお気に入りばかりが引き立てられるなど、評価基準が不透明で公平性に欠け、やりがいを感じられないというのも、人が居つかなくなる理由のひとつです。

福利厚生が悪い、もしくは少ない

長く勤めるには基本給だけでなく、福利厚生も重要です。住宅手当や家族手当など、同業他社と比べて見劣りがしないかチェックしてみましょう。昨今では法定休日のほかに、リフレッシュ休暇のような特別休暇を充実させる、業務に関連する資格の取得支援をするといった独自の福利厚生を提供する企業も増えています。

メンター・教育者がいない

入社したばかりのころは誰もが新人です。勝手がわからずに右往左往することも多いでしょう。そうした状況で、新人を手助けする存在がいない、または人を育てようという土壌がない会社は人が居つきにくくなります。人を育てる環境ではないのに、新人に対して能力が劣っているなどと罵倒(ばとう)するのはもってのほかです。

定着率の良い会社の特徴とは

安心して働ける

柔軟な働き方ができる、経営が安定している、特に高給でなくてもワークライフバランスが良い、などのように、社員が定着している会社の特徴は「安心して働ける」という点につきます。安定している職場は、良い人材が長く勤めてくれるものです。

会社と社員の間に信頼感がある

明確な評価制度があり、待遇の公平性が保たれ、会社と社員との間に信頼感がある職場は、キャリアプランを描きやすい風土といえます。こうした職場で働くことで社員はやりがいを感じ、長く勤めたいと思うようになるのです。

人間関係が良好

会社の同僚と不必要になれ合う必要はありませんが、1日の大半を職場で過ごす以上、人間関係は大切な要素です。社員同士や上下関係の風通しが良く、人間関係が良好な職場は、長く勤めたくなる職場といえます。

「外国人はすぐ辞める」って本当?

日本人の定着率が悪い職種では、外国人に頼らなくては回らない現場も増えています。一方、外国人材は採用してもすぐに辞めてしまうという悩みも聞こえてくるようです。しかし、本当に外国人は日本人に比べてすぐに辞めてしまうものなのでしょうか。

リクルートワークス研究所が日本を含む13カ国で実施した調査では、30代で転職を経験したことがない人の割合は、韓国人が41.7%、ベトナム人は43.6%、アメリカ人が43.8%。中国人は40.5%となっています。日本人の30代で転職経験がない人の割外が31.3%と比較しても、一概に「外国人はすぐ辞める」とはいえないでしょう。

外国人材の定着を図るために

先のリクルートワークス研究所の調査では、「仕事をする上で大切だと思うもの」の1位は「高い賃金・充実した福利厚生」、次いで「自分の希望する仕事内容」「雇用の安定性」です。

ホワイトカラーの給与面では、日本企業はすでに、東南アジアの新興国と比べても見劣りする水準になりつつあります。専門職系の高度人材は語学能力が高く、国際的に通用する学歴も備えているため、国を越えてキャリアアップ・給与アップのチャンスをうかがっています。こうした高度人材をつなぎ止めるには、日本国内だけでなく、グローバルな視点から給与水準をチェックすべきでしょう。

キャリア面では、日本企業はいまだに新卒一括採用を実施し、さまざまな部署を経験しながらゼネラリストをめざすキャリアパスが多く見られます。一方、外国人材は常に自分の価値を高めるために「どのような役割を担い」「どんなスキルを身につけて」「どんなキャリアを積めるのか」ということを気にしています。そのため、キャリアパスが明確でなければ将来の展望が描けず、辞めてしまうケースが増えるのです。

加えて、日本企業特有の特徴として、いわゆる「空気を読む」「忖度(そんたく)する」といった言葉以外のコミュニケーションに頼りすぎるという点があります。日本社会が良くも悪くも均質であるという点からきていると考えられますが、異なる文化背景の外国人にとっては壁となります。風通しの悪い職場を避ける傾向は外国人でも同じです。外国人材の定着率を上げるためには、会社特有の文化やルールを明文化し、合理的に説明ができるという明確さが大切です。

社員の定着率を上げるには

「キャリアパスが明確」「社内のコミュニケーションが円滑」「満足できる給与」といった良い労働環境を望むのは、日本人も外国人も同じです。労働人口が減少するなかで、女性や子育て世代、介護世代、高齢者などさまざまな立場の人を活用しなくてはならない職場が増えています。職場のダイバシティー化が進むなかで、少数派である外国人が働きやすい職場は日本人も働きやすい職場になります。社員の定着率を上げるには、長く勤めたくなる環境づくりが大切です。


参考:

https://www.works-i.com/surveys/personal/global-career-survey.html

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